遺伝看護は、遺伝性疾患を抱える患者の健康上の悩みを解消したり、生活の質を高めたりするうえで欠かせない取り組みの一つです。特に、遺伝に関する専門的な研究や臨床が行われている医療機関においては、遺伝看護に直接携わる看護師の確保や人材育成が重要な課題として位置づけられるようになっています。また、遺伝性疾患の患者に対するスムーズな診察や検査の実施と、安心して適切な治療を受けられる環境作りも重要とされています。さらに、多種多様な遺伝性疾患について正しい知識を得るうえで、専門の病棟や外来がある医療機関で看護師として実務経験を積んだり、職場内で必要な研修を受けたりすることも大事なことです。
看護師が遺伝看護の領域を専門としてキャリアアップを図るためには、看護スキルの向上を目標として、勤務先で研修を受けるだけでなく外部研修やセミナーなどの機会も積極的に活用することがポイントです。さらに遺伝医療に詳しい看護師として周りに認めてもらうためには、専門看護師や認定看護師の証明となるライセンスを取ったり、遺伝学に関する学会などへ参加し報告するといった行動を起こすとよいでしょう。その他に、遺伝看護に関するキャリアを持つ人は、大学病院や公立病院などで高く評価される傾向があります。そのため、医療現場のエキスパートとして自分のスキルを活かせる職場を選ぶことにより、長期にわたり安定した待遇で働くこともできるでしょう。